雨漏りはなぜ起きる?意外と知らない屋根事情と修理方法を徹底解析!!
1年間の雨被害について
まずはじめに雨漏り被害の根源、雨被害は1年中ございます。
その中でも集中して増えるのが、
・2月から3月にかけての春一番
・4月から5月にかけての春の嵐
・6月から7月にかけての梅雨シーズン
・7月~9月はゲリラ豪雨や台風が次々に発生します。(2017年は10月11月も台風被害が多かったです)
そのたびお家は豪雨や強風から私達を守ってくれています。劣化していくのも当然です。
定期的な雨漏り点検をし、細かな修理をしておくと安心ですが大抵の方が目に見える雨漏り被害に遭われてから、「雨漏りしているので見てほしい」「雨漏りしてるから家が潰れるんじゃないか・・早く見に来てほしい!」と慌ててご相談されます。そんな、雨漏りしてからの対処方をご紹介致します。
急に!雨漏りした場合の対処法
実は、突然雨漏りしているわけではありません。
屋根材の下には防水紙(ルーフィング)が貼ってありますのでそこを突き進んでくると、天井に雨シミがでてきたり、雨水がつたってポタポタと雨漏りしてきます。なので雨水の通り道ができて雨漏りするまでは時間がかかります。また、雨量や雨の降り方によっても雨漏りしたりしなかったりすることもあります。
雨漏りしたからといって、今すぐに家が崩れていく心配はございませんのでご安心ください。
しかし、お家が悲鳴を上げていることに間違いはありません。そのままにしておくと二次災害に繋がり修理する際のコストも増加してしまうので早急な対応はしておきましょう。
雨漏り修理を業者さんに頼む前に、お客様にご確認していただきたいことがあります。
雨漏りしたら事前に確認しておくこと
雨漏り発生箇所 | 1階、2階、3階 どこの部屋から 天井、窓付近、ベランダの下、天窓 など |
確認できる症状 | 天井のシミ 水が伝っている、たれている、水びたし 天井からポタポタと音が聞こえる カビ臭い など |
雨漏り時の屋外の状況 | 雨の強さ 雨量 風の向き、強さ 雨の継続時間 |
建物の情報 | 築年数 階層 今までの雨漏り被害の有無 今までの修理有無 |
分かる範囲で構いませんので上記の事柄を事前に確認していただき、お問い合わせ時や現場調査の際にお聞かせいただけると雨漏りの原因究明の手がかりになります。
雨漏り調査を行う際は、雨漏り位置を確認して屋根に上がって点検していきますが我々が伺った際に同じ症状が確認できない可能性もあります。お住まいの現状を詳しく確認しておきましょう。
実際に雨漏り点検を行なうといろんな雨漏り被害があり、建物の形や立地により事例も様々です。
雨漏り原因を過去の事例とともにご紹介していきます。
考えられる雨漏り原因を過去の事例とともにご紹介
①瓦割れ
こちらはスレート瓦が割れている写真です。瓦の割れ目から雨水が侵入してしまいます。下にルーフィングという防水紙が貼ってあるのですぐに雨漏りしてしまうわけではありませんが、放って置くと日射や雨風による刺激が蓄積されルーフィングの劣化を早め、防水効果が著しく低下します。
釉薬(ゆうやく)瓦が割れています。これは上からものが落ちて割れてしまったケースでした。お隣のマンションで工事中でしたのでそこからの落下物と考えられました。
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瓦が数枚割れている場合差し替えることが可能ですので修理の際は、同じ瓦で差し替えます。
しかし屋根の場所によっては一部を解体し差し替え修理が必要な場合がありますのでご自身で行わず専門の業者へ頼むことをおすすめします。
また、廃盤になっている瓦でも類似品で対応することも可能ですので、ご相談ください。
②瓦の凍て割れ(いてわれ)
瓦の表面が剥離してしまう現象です。瓦に含まれている微量の水分が凍って溶けてを繰り返すたびに瓦が膨張し、このように瓦が欠けてしまいます。
「庭に赤い破片が落ちてきた」などとお問い合わせがあります。また落下ぜずに軒樋(のきとい)に詰まったり、樋を傷める原因になります。
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③瓦がズレている
瓦がズレて隙間が空いています。当然ながら雨水が入り放題なので雨漏りに繋がります。
スレートの場合、ズレることもありますが、経年により屋根材の浮きが発生してくることもあります。
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凍て割れ時も差し替え修理が可能ですが、このように棟際の瓦の場合は、瓦の差し替え修理の際に一度棟(むね)を解体する必要があります。また、全体的に凍て割れしている場合は葺き替え(ふきかえ)工事もご提案させていただきます。
一部ズレている場合、部分修理で補えます。しかし全体的なズレですと下地も劣化していると考えられます。すべての瓦のズレを治すとなるとそれなりの費用もかかるので一層葺き替え工事を行うと下地も新しくできますので安心です。
④棟板金の不具合
屋根の面が合わさった山折り状になっている箇所を棟(むね)といいます。そこを覆っている板金を固定する釘が浮いています。ここから雨水が侵入する恐れもありますが、固定力が弱まっているので、強風等で板金が飛散するケースもあるので要注意です。
釘を固定している中の木が劣化し釘を押し出しているため、釘を打ち直してもすぐ出てきてしまいます。
なので修理の際は、棟板金の取り替えをして中の貫板(ぬきいた)も新しいものにし、ビスで固定します。
棟板金の取り替え修理のブログこちら
⑤漆喰の剥がれ
漆喰(しっくい)が剥がれると中の土に雨水が染み込み雨漏りの原因となります。また放って置くと棟が崩れていく心配もあります。
修理方法には大きく分けて2種類ございます。
Ⅰ.棟瓦に問題がない場合、既存の漆喰をきれいに剥がし下の土を整地後、新しい漆喰を塗替え工事。
Ⅱ.棟瓦がズレているなど劣化が激しい場合は棟瓦の積み替え工事をご提案させていただきます。
⑥雑草が育っている
屋根の上で雑草がすくすくと育っていることがあります。一見かわいくも思えますが、草木が育つということは水分が含まれいているということ。根を張り雨水が家屋に侵入し雨漏りの原因となります。
また枝など芯の強い根を張り出すと瓦のズレや割れが発生する恐れがありますのでかわいい葉っぱでも要注意です!
小さな雑草でしたら引っこ抜くといいですが大きな雑草だと周辺の瓦を解体し根本からなくしてしまう必要があります。
Ⅰ.漆喰の塗替え工事ブログはこちら
Ⅱ.棟瓦の積み替え工事ブログはこちら
棟の長さ、高さ、屋根の平常により費用も変わってきます。
一度屋根の調査を行いお客様のご要望に沿って修理内容を打ち合わせいたします。
⑦谷板金のサビ・穴あき
谷板金が錆びています。このままにしておくと穴があき雨漏り原因になってしまいます。
屋根面が谷折りに合わさった箇所に板金で施工されているのですが、この箇所が不具合での雨漏りは多くの雨量が予想されますので錆びていたら穴が開く前に修理しておいたほうが良いです。
塗装や、板金の取り替えといった修理方法がございます。
谷板金の取り替え工事ブログ
⑧ラバー工事
瓦と瓦をズレないようにコーキングで固定するラバー工事ですが、コーキングが劣化し穴が空いてしまうとそこから雨水が入り逆に抜け道が無くなってしまいます。オススメはできません・・。
屋根全体にコーキングしていると雨漏り位置を発見してもまた別の箇所でコーキングが切れ・・ときりがありません。ラバー工事をおこなっている際には、葺き替え工事をご提案させていただくことが多いです。
ラバー工事コラム
⑨塗料の詰まり
以前に、屋根塗装を行った際にキレイに縁切りされておらず所々塗料が詰まっている箇所がありました。雨水の抜け道がなくなり雨水が中へと入っていき雨漏りの原因となります。
カバー工法での工事を行いました。
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⑩天窓付近の不具合
コーキングが切れて雨漏りしていたり、天窓周りの板金のサビや収まりが悪かったりと原因は多々あります。
現状の天窓のまま修理することもできますし、新しいものに取り替えや無くしてしまうことも可能です。
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天窓コラム
⑪太陽光温水器や太陽光パネルの設置トラブル
太陽光温水器が棟瓦の上に設置されているケースが多々あります。棟に載せてはいけません・・本体自体が重くお水が入ると更に重くなります。棟はデリケートな部分なのにそこに設置するとは考えられません。
瓦がずれたり割れたりしてしまいます。現在使用していない場合は撤去することをお勧めしております。
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太陽光パネルを設置する業者が一度間違えた位置に釘を打ってしまうケースがあります。ルーフィングにも穴が空いてしまうのでそれが雨漏り原因になってしまいます。
修理方法としては、一度瓦をめくりルーフィングの上から新しいルーフィングを貼り、瓦を戻していきます。
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⑫樋の詰まり
雨樋に落ち葉や長年蓄積された泥やゴミが詰まっています。樋の詰まりは雨水の排水を止めてしまうため、溢れかえり行き場をなくした雨水が雨漏りの原因になります。
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樋掃除をお勧めします。お近くに大木があるお家ですと定期的に樋掃除を行ったり、落ち葉よけネットを取り付けるかたもいらっしゃいます。屋根の先端部分にしゃがんでの作業になります。高所で危険と隣り合わせですので必ず業者さんにご依頼ください。
樋掃除の現場ブログはこちら
⑬防水機能の低下
ベランダや、陸屋根には定期的な防水のメンテナンスが必要です。防水機能が低下すると水はけが悪くなり雨水が残ったままとなってしまいます。また防水層に亀裂などが入るとそこから雨水がじわじわと侵入してくるので雨漏り原因になりえます。
防水工事過去のブログ
雨漏り修理をするには
屋根は勾配がある斜面での高所作業となります。その上雨が降っていると滑りやすくなるので基本的に雨の日は屋根に上がれません。お客様のお住まいを任されている以上、安全第一で工事を勧めてまいりますので天候に左右されてしまうことはご了承いただいています。
また、工事前には近隣の方々へのご挨拶まわりを行いできるかぎり配慮させていただきます。
工事後には工事中・工事後のお写真をお持ちしお客様にご説明させていただき工事終了となります。
雨漏り修理の悪徳業者には要注意です!
悪徳業者に多い特徴
・名刺がない
・点検をしてすぐに概算での工事金額を伝えられる
・見積書の項目無く工事内容の明記がされていない
・契約書がない
対処法
⇩
・会社名、住所、連絡先などを正確に提示してもらう
・見積もり書を作成し工事内容をしっかりと説明してもらう
・契約をして7日間はクーリングオフの期間があります。迷っているのに工事を急かしてくるようであれば一度考え直してみましょう。
巧みな話術にも要注意です
・不安を煽る
「近くで工事していたのですが、お宅の屋根、すぐ工事をしないと危険ですよ。」
「このままにしておくと、地震でお家が崩れてしまいます」
など、お客様を不安する言葉を次々と浴びせてくる。
・屋根に上がろうとする
「近くで工事していたので、無料で雨漏り点検しますよ」
「アンテナ撤去無料でしていますのでどうですか?」
など、お客様にお得感を出し屋根にあがろうとします。屋根点検の際に屋根に上るのはもちろんなのですが悪徳業者の場合、故意に屋根に手を付け、「漆喰が剥がれていました」と欠片を持ってきたり、「瓦が割れていました」などと証拠を突きつけてくるケースも有ります。また他の現場で撮った写真をあたかも今撮ったように見せてくる業者もおります。部分的な写真だけでなく全体の写真も見せていただくようにしましょう。
・考える時間を与えない
「今、ご契約いただけると値引きします。」
「すぐに工事をしようとする(クーリングオフの期間を与えない)」
など、お客様に考える時間を与えずに工事を急かしてくる業者は要注意です。しっかりと家族や知人に相談し時間をかけて信頼できる業者へ工事依頼をしましょう。
我々が点検に伺うと、実際に故意に屋根を傷付けられていたケースがありました。
悪徳業者にだまされないように
施工会社の情報をしっかりと把握し、工事内容を明確に提示していただきましょう。高すぎるのも問題ですが安すぎるのも疑いましょう。工期や工事内容をカットし手抜き工事をされ雨漏りが治らなければ元も子もありません。相見積もりを取る方もたくさんいらっしゃいます。相場を知り一番信頼できる業者選びが屋根工事には大切です。
悪徳業者の訪問販売には要注意!手口と対策をご紹介します
雨漏りして必ずしも屋根をすべてやりかえる必要はありません。部分修理で治るケースもたくさんあります。家がすぐに崩れてしまうわけでもないので、工事内容をしっかり把握して信頼できる業者さんを慎重に選びましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました
この記事をご参考にしていただければ幸いでございます。街の屋根やさん大阪門真店