枚方市のマンションの屋根点検のご依頼を頂きました。5階建てと高さはあるのでハシゴなどは届かないのですが、一段下がった部分にお屋上屋根がありまして、そこからハシゴを掛けて屋根上は上がれましたので確認ができました。もしこの屋上屋根や点検口などがなく屋根に上がれない場合は、ドローンなどを使用しての点検となります。

屋根形状は半円形のカマボコ型の屋根ですので、スレートなどでは素材が固く円形に馴染まず、円形の頂点部分の屋根勾配が非常に緩くなってしまうので、防水性能の観点から、柔軟性があり防水性も高い「シングル材」が使用されていました。
また、この規模のマンションになりますと、屋根下地が木とかではなくRC（コンクリート下地）のためシングル材のボンドでの接着と釘止めを併用する工法での工事がされているようです。

屋根形状的に軒先部分は勾配がきつくなります。反対に棟部分は勾配が緩くなります。

表面がまだら模様のようになっていますが、これは新品時は表面に砂が貼り付けられているのですが、それが劣化して剥がれてしまい、シングル材の基材のアスファルト部分のみ残った状態なんです。黒く丸い模様はまだ砂が残っている部分です。

シングル材の表面をよくみると、砂がは剥がれただかでなく、千切れて飛散したシングル部分も見られますね。
ボンドで接着力が経年劣化で弱くなったところを、台風などの強風で飛ばされたようです。
右の写真に留め付けているくぎが見えているところがあります。この釘は本来隠れているものなので見えているということは、その部分のシングル材が欠損しているということです。

軒先部分の確認です。軒先は内樋方式で、建物外にある樋でなく外壁内側の躯体部分に取り付けらえる樋のことで、外観上スッキリとした仕上がりになるのでデザイン重視の建物には採用がされております。
このマンションは屋根形状からも外観に拘りがあるので、内樋になっているのだと思われます。
内樋の中も、アスファルト系の防水材での防水加工されており、あまり紫外線があたりにくいということもあり、そこまで劣化はすすんでおりませんでした。
笠木板金サビなどもなく良好です。

ケラバ部分の確認です。
こうやってみるとカマボコ型屋根の頂点部分はほとんど勾配がないことがわかりますね。
ケラバ水切などの確認ですが、ケラバ水切はまだキレイな状態ですので問題はありませんでした。

下屋根部分も確認します。

大屋根部分からくらべると、表面の砂の剥がれも少ない状態ですが、それでも軒先部分は白くなっていますので、砂が剥がれているようです。
この部分は日もあたりにくいようですので、苔類なども生えてしまっていますね。

シングル材の半円形の屋根ですので、屋根を改修する場合の選択肢は限られるのですが、

現状はかなり経年劣化が進んでおりますので、屋根葺替工事かカバー工事が必要になります。
葺替工事は、廃材が多数でるのと手間及び費用がかかりなすので、現在ではこのようなマンションなどのシングル葺の屋根材の場合はカバー工法で工事されることがほとんどです。
工事パターンは

1．既存のシングル材の上から、新しいシングル材を貼っていくシングルカバー工法

2、既存のシングル材の上から、ガルバリウム鋼板を半円に加工したものを、葺いていく鋼板カバー工法

のどちらかになります。

屋根下地がＲＣなので、今の状態でも雨漏りを起こすことはありませんが、今後現在のシングル材の飛散や落下、下地のコンクリートの劣化を進めてしまう可能性がありますので、
屋根の改修工事をお勧めさせて頂きました。

街の屋根やさん大阪門真店では、一般住宅だけでなく、マンションや商業施設、倉庫まで幅広く対応させて頂いておりますので、

京阪神地域で50年、多数の実績のある当店へお気軽にお問合せ下さい。